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令和6年10月大学院入学宣誓式を挙行しました(10月1日(火))

記念館前
授与式
式場

 みなさん、奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科へようこそ。入学、おめでとうございます。ご家族並びに関係者の皆様もお喜びのこととお祝い申し上げます。

 現代は、急速なグローバル化や情報化の進展を受け、先行きが見通せない複雑な世の中になって来ました。世界各地で発生している戦闘や紛争は、以前にも増して、様々な形で全世界へその影響を拡げています。また、かつて地域的な問題として語られることも多かった環境問題は、今や、グローバルな経済活動を介して、全地球的な課題として取り上げられることが多くなってきました。このような複雑な時代においては、答えの見えない課題に対してどのような方法でそれを克服して行くのか、柔軟で多面的な視野から考えてゆく必要があるように思われます。奈良女子大学は、物事の真理を探究?解明するとともに、前述したような現代社会が直面している課題の克服にも貢献できるような次世代の女性リーダーを育成することを使命としています。

 私たちの研究科は、人間や文化、そして社会や自然環境などの多様な側面を探求し、深く理解するとともに、それらと関係する現代的な課題の克服についても検討する場です。研究の世界では、時に、文学、理学、工学、生活環境学など、さまざまな分野が交差し、新たな知識や視点が生まれます。皆さんがこれから取り組む研究課題は、社会の複雑な問題に対する解決策を見出すための重要な一歩ともなることでしょう。ぜひ、大学院における研究に思う存分浸り、心行くまで研究の世界を堪能していただきたいと思います。

 新しい環境の下での生活は、時に困難や不安を伴うかもしれません。しかし、皆さんは一人ではありません。本学の教職員によるサポートは勿論のこと、仲間と共に支え合い、励まし合う場を提供するのも大学の役割です。私たち教職員一同、皆さんの成長を全力でサポートし、共に学び、共に挑戦していくことを楽しみにしています。

 今日から奈良女子大学の一員になられた皆さんは、ある面では、授業料を払って大学が提供する各種の教育?学術研究分野のサービスを受ける立場になられたという見方ができるかも知れません。しかし一方で、税金の補助を受けて、その授業料を上回る勉学研究環境を優先的に利用できる立場を獲得したのだ、という見方もできます。後者の立場から考えれば、皆さんは、個々人のために勉学?研究するだけではなく、その勉学?研究の成果を少しでも社会に還元する責務をも負うことになったのだということになります。新入生の皆さんには、ぜひ、このような自覚を持って在学期間を過ごし、自分なりの方法で世の中に貢献できる社会人に成長していただけたらと願っております。これからの皆さんの活躍を期待して歓迎の言葉といたします。

令和6年10月1日 奈良女子大学長 高田将志